佐賀県茶業試験場

所在地 佐賀県藤津郡嬉野町大字下野丙1870の5
http://www.pref.saga.jp/shigoto/nogyo/chagyoushiken/index.htm


2004年3月、佐賀県の「緑茶シンポジウム」に参加しました。
その折りに場長さんのご厚意で、佐賀県茶業試験場も見学させて頂きました。
昨年、外からしか見られなかった試験場、一体どんなところなのでしょうか?


嬉野温泉街の北東辺り、西隣はもう武雄市というところにあります。試験場の詳細は、「佐賀県茶業試験場」のサイトをご覧になってください。研究報告や一般の人も参加できる茶談義のお知らせなどが載っています。試験場内では、先日のお茶の試飲のアンケートや様々な調査の集計をする所や、成分の研究室、資料室、製茶場などいろいろな所があります。製茶場には、産地らしく、釜炒り製玉緑茶の荒茶製造機がありました。茶摘みの時期は、釜で炒ったお茶のいい香りが何とも言えずにいい、とか。
ここでは、案内してもらった中で、興味深いところをいくつか紹介します。

アメダスの観測点でした。
いきなりそう言われて、は?と思いましたが、なるほど、こういうところに観測点があるのね。これから、天気予報の地図上で「嬉野」を見かけたら、この光景を思い出しそうです。







 
観測点があるだけです。
べにふうき育成中
アレルギーへの効果が期待される茶の品種、「べにふうき」を育てています。お茶の木は、収穫ができるようになるのは苗を植えて4年目ごろからで、標準的な収穫量を得られるのは7年目からです。今、べにふうきを育てている農家はまだまだ少なく、アレルギー対策としてのお茶や食品が出回るまで、まだ数年かかりそうです。



 
べにふうきの苗
 
 べにふうきの幼木園


 
奥の小さい木がべにふうき


プール型茶畑
肥料をたくさん与えればいいお茶ができる、と以前は考えられていました。しかし、肥料の量がある量を越えると品質の向上の増加はあまりみられず、逆に肥料を与えすぎて根が傷んだり、多すぎる肥料が吸収されずに流れて地下水や河川を汚染している問題が出てきています。必要な肥料を必要なだけ与えるのが最良の方法ですが、土の中に入ってしまうと、どれだけ吸収されて、どれだけが地下へ流されているのかが、なかなかわかりません。
 
上の覆いをめくったところ
そこで今この試験場で研究されているのが、プール型茶畑です。地表から60cmのところまで掘って厚手のビニールプールを作り、その中に土を入れ、茶の木を植えます。地表が開いたままだと不必要な雨水が土に入るので、ビニールで覆っています。表面を覆ったビニールの下にチューブを引き、そこから水や液肥を計って与えます。




 
手前の黒く覆われた所がプール型茶畑



根元に肥料
かまぼこ型になってる茶畑は、幹が長くのびずに枝葉が広がっていて、根元に直接肥料を与えるのは難しく、畝間に肥料を与えていました。しかしこの方法だと与えた肥料が根から遠いので、あまり吸収されずに流れてしまいます。写真の方法は、肥料を根元に与えられるよう、管が根元の近くを通っています。





 
茶樹の真ん中で地面の上にある管から液肥を与える


ハウス栽培の茶畑
ありそうで、そう言えば見たことがなかったハウス栽培の茶畑。しかし、ハウス栽培の野菜や果物とは違って、早めに暖かくして育てても、露地栽培のお茶のようにいいお茶はできないそうです。写真のものは4/13に摘み採り予定。この黄色の覆いが、葉が色づくのにちょうどいい色だそうです。



 
少し小高い所にあったハウス栽培茶畑

ハウスの中の様子。暖かー。


 
小さな新芽が出ています。


村岡実場長さん、大変お世話になりました。お茶に限らず、ためになる話をいろいろしてくださり、どれもとてもおもしろかったです。場長さん、そしてあたたかく迎えてくださった試験場のみなさん、ありがとうございました。     
「酒は元気の素、お茶は健康の素」

2004年3月訪問

(C)1998-2004 Saronjin Teata